農家の戯言

戯言1



農家の戯れ言




はじめまして、私は当ホームページの管理人、園主の妻でございます。
ここでは、日々徒然に思う事なんかを書いていきたいと思っていますので
暇つぶしでも読んでやってください。




1. 忘れないでおこう
2. 自然淘汰
3. あめご釣り
4. 銀杏の木の下で
5. 柚子のトゲの不思議
6. 木守り
7. セントラルパークの銀杏
8. アンパンマン町!?
9. しだれ桜
10. 銀杏の花粉とり
11. カラスのえんどう
12. 竹の蘊蓄(うんちく)
13. 子供達の宝物
14. 土あけびとシカの角
15. ある日の柚子園
16. 迷い鳩
16. 巣立ちの日


 忘れないでおこう

これは私が子育て専業中だった一昔前の事、JAの広報誌に載った文章です。

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今、4歳と1歳3ヶ月の子供の子育て真っ最中です。子育てをしていると木が、花が、虫が近くなってきます。子供とも散歩の中でことさらそれを感じます。竹林の木漏れ日の美しさ、雑木林に風渡る様、ぬけるように青く高い空。夕暮れのひぐらし(蝉)のせつなさ、自然の造形美に触れるたびに何か昔忘れていた大切なものを1つ1つ取り戻しているように思えます。

 私の家は山に囲まれた自然の中にありますが、その中にいても聞こうとしなければ、鳥のさえずり、木々のざわめき、川のせせらぎは聞こえててはきません。実に限りなく優しい自然の音です。
又、それは自然に心開いた者にしか聞こえてこないとも思えます。

忘れないでおこうと思います。
今は子育て専業中ですがこの先、忙しい時、農作業の手を止めて自然を愛でる心のゆとりを忘れないでおこうと思います。そして、子孫から預かった(インデアンの教え・・・豊かな自然は祖先から受け継いだものではなく、子孫から預かっているもの)この自然の中で、木や花や石がそこにあるべくしてあるように、私もここでいきていけたらと思います。

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うん、うん、忘れてないと思います。それなりに楽しんでやっています。草刈りをして汗だくになって顔まで真っ赤になった時にふいてくる心地よい風。”これは、私の風。がんばったご褒美の風”と感謝してやっています。
うれしい時は思いっきり幸せにしてくれますし、つらい時、悲しい時はよくなぐさめてもらっています。そこ、ここに小さな生が”生きてるぞ”と主張しています。”今度生まれてくる時はこの おけら かもしれない”なんて事を考えると一生懸命になって土をほっているのをみて、いとおしくなって元気がでてきます。
こんな山の中にいてもストレスはあるものです。自然を愛でる心のゆとりを忘れないでおこうと思います









柚子(ゆず)

 自然淘汰

柚子の木の下で一休みしていますと、”ぽたっ、ぽたっ。”と音がします。何の音かお分かりですか?小さなゆずの実が自然落果している音なんです。

今年は柚子の花がたくさん咲きました。去年は収量が最低だったので、今年花があって当然といえば当然とは思っていたのですが、これはちょっと咲きすぎです。
どうせ、落ちるだろうなと思っているとその通りです。梅雨の前の長雨の影響もありましょうか、落ちるのも半端じゃない。咲きすぎた木の下にはたくさんの柚子の小さな実があわれにも落ちて黒くなっています。

自然淘汰か・・・。1本の木が育てることのできる実の数はだいたい決まっています。多ければ実が小さくなるし、程よく少なければ実がよく育つ。
自分の体力と相談して、木は自分で調節しているのです。
小さな実や変形した実は真っ先に落とされてしまいます。
厳しいなぁ。もし、この中に自分がいたとしたら どちらだろう・・・勝ち組みか負け組みか・・・。
でも、その負け組みもむくろを始末するものがいて、土に帰り木の養分となる。
とすると、木は負け組みを切り捨てたのじゃなくて循環させているということ?それをさせているのは木じゃなくて自然?生と死は意味があって、自然の歯車の中にくみこまれているってことか。
なんて考えている間にも柚子園にはあいかわらず、”ぽたっ、ぽたっ。”と無常な音が響いています。

そういえば、最近柚子が以前ほどなりません。柚子の産地、物部村も地球温暖化で柚子を栽培する適地からはずれかかっているのでしょうか?
地球は大丈夫?これも、人類の自然淘汰なんて言わないでくださいよ。












 アメゴ(アマゴ)釣り

新緑のいい季節ですね。
目に青葉、山とほとぎす、初あめご(あまご)。
去年までは、ブラックバスに凝っていた我家の3太郎(男ばかりの3兄弟)も今年は渓流釣りにはまっております。

たらの芽の収穫もやっとこさ終わり、柚子の苗木の販売も終了してちょっと一段落。
休みが最近ほとんどなかったもので、近くの川にあめご釣り(あまご)に3太郎を連れて行ってきました。

いる、いる、魚影が見えてきます。!(^^)! それを見た太郎と次郎は竿も持たずに いちもくさんに河原を駆け下りました。
「こら~っ!!竿くらい持って行かんか!!」と園主。
しぶしぶ戻り竿を抱えてまたもや駆け下りました。
いくらを餌に投げるとまずは次郎にヒット!!結構いい型。デジカメを持っていってなかったので、携帯でカシャッ!

3郎(小2)が早くも水遊びをして靴を濡らしているのを注意しているうちにまたもや、次郎がヒット!!でかい。太郎の機嫌の悪いこと。

そうこうしているうちに今度は太郎にヒット!!
”すごい、すごい、お兄ちゃん。”と携帯ムービで撮ろうとして手間取っているうちにばらしてしまいました。

”お母さんのせいや。”と文句を言われる始末。”でも、釣れた事に間違いはないしね、良かったね。”とフォローを入れていると、何故か3郎がスッポンポンに・・・
”ひえー。あんたは喘息持ちでしょう。”と言いつつ着替えをさせたら今度は石を投げているぅ・・・・    (-_-;)

ブーイングの嵐の中、3郎と二人でお先に帰ってきました。今も釣っているはず。
今夜はあめご(あまご)の塩焼きにたらの芽のテンプラといきましょうか。 (^-^)











 銀杏の木の下で

どうです。この木漏れ日。
自然の程よいレースのカーテンのようになります。

その下で昼はお弁当を食べるのですがこれが又、格別。
子供達はこれが楽しみで来ているようなものです。
ツクツクボーシが鳴いています。”木漏れ日の中で見つけた 拾い忘れの 銀杏一つ” 幸せなひととき・・・・。

木と木にハンモックを張ってお昼寝といきたいところですが、現実はそう甘くない。座るやいなや、蚊がたかってきます。うちの体格のいい、どすこい長男。へたに福耳なんで、そこに蚊がとまる、とまる。
”おかあさん、耳がかゆい。”と叫んでいます。
タオルでほっかむりをする?といったら、さすがに嫌といって逃げていきました。

”おかあさ~ん。ゲームしてえい?”
”え?ゲーム (-_-;) ”
この大自然を目の前にして?とヒクヒクしておりましたら、忘れていました。朝、眠くて機嫌が悪いのでゲームボーイを持っていっていいと言ってしまったんだぁ。
”まあ、えいやんか。いままで伽(とぎ)をしてくれたんやもん。”
と主人がいいます。
”そうやね。今日は格別暑いしね。”
そうして、我が家の3太郎は車の中でクーラーをきかしつつゲームに興じるのでした。
ま、こんなもんか。飽きたら、又手伝ってくれるでしょう。









百舌の早贄(もずのはやにえ)

ゆずのトゲにバッタを刺しています。

 ゆずのトゲの不思議

柚の収穫がはじまりました。
豊かな芳香を放つ柚の収穫。なんて優雅とお思いでしょうが、柚には無数の鋭いトゲがあるのをご存知ですか?柚畑はまるで針の山のようなのです。

皮のうでぬきと皮の手袋で防御しつつの収穫となりますが、それでもあちこちをトゲでひっかくし、刺すしと傷だらけになります。
それは、柚とて例外ではなく 風が吹く度に自分でつけた 無数のかき傷をつくっています。そのために無傷の柚というのはたいへん価値のあるものなのです。

いくら動けない柚が敵から身を守るためとは言え 自分を傷つけてはしょうがないでしょうにと当初は思っていました。
ここの嫁いで初めて柚を採った時に、父が
”これを見てみいや。”
というので指差す方向をみると そこには棘が真横から直角にささった柚がありました。
これは無残なと思いつつ、よく見ると・・・・これは不思議、鋭いはずの棘の先は柚の実にささらずに曲がっています。
”風が吹いて勢いよくささるやつはだめやけど 日に日に太る柚に棘の方が負けてくれちゅう。”
負けてくれるかぁ・・・・いい表現。そして、感動しました。

無傷の柚を重宝がるのは人間の勝手で、柚の棘は自分も他人も選ばないもろ刃の剣ではなくちゃんと自分を認識しているのだと思えてきます。
風でささるのは不可抗力ですが、柚が木の上にあるうちはその傷もいやしてくれます。

本当に自然とはよくしたものです。柚の不思議を考えつつ、今日も
”まあ、私達も外敵なんだからしょうがない。”
と 痛い、 痛い を連発しながら柚を収穫しています。








 木守り

柚の収穫もやっとこさ終わりました。
まるで黄金の花の咲いたようにたわわに実っていた柚が収穫され、柚園は緑一色に戻りました。

でもぽつぽつと黄色い柚が見え隠れします。
これは、木守り(きもり)。所によっては木守り(きまもり)とも呼ぶそうですが、ご存知ですか?

”柚がまだ、てっぺんに一つだけ残ってますよ。”
あれは、木守りにおいちょこう。”
柚の収穫に今年初めての人がいると、おじいちゃんの昔話がはじまります。

昔、昔、ある村に年寄りの夫婦が住んでおった。その年は柿の木が豊作で、喜んで収穫したが てっぺんの1つだけはとり忘れてしまったそうや。
柿の木のむこうに 人食い鬼があらわれて、今にも夫婦を食べそうに襲いかかってきた。そのとき、額に熟した柿のみがあたった。
鬼は自分の血と間違えてびっくりして逃げ帰った。
それ以来、てっぺんの一個は木守りとして残すのが風習になったそうや。

木の守り番、ひいては 自然保護の観点から動物たちの取り分、と言う考え方です。すっぱい柚も鳥のつついた後があります。
特に気をつけて残しておくわけではなく、単なるとり忘れなんですが、冬の食料が少ない時期には思わぬプレゼントとなることでしょう。
一年間丹精こめて育てた柚です。一緒に収穫してあげたいと言う思いもありますがあえておいておきましょう・・・・・










NYセントラルパークの銀杏


NYセントラルパークの銀杏

先日、NYの見知らぬ方よりメールをいただき、銀杏の保存方法をお教えしたのが縁で思わぬ申し出を受けました。

Hさんのメール、以下抜粋

                  ********************

今、セントラルパークは銀杏の宝庫です。

こちらでは、銀杏を食べるのは中国人と日本人くらいで、チャイナタウンで買うことができます。 
したがって公園で銀杏を拾っているのは決まって中国人です。一家全員でバケッを持って現れ大きいのだけを拾い小さいのは取らない。小さいのは売り物にならないのでしょう。悲しいかな、大体の日本人は買うのがあたりまえになっていると思われます。
私は、昨日時間が少しあったので、拾いに出かけましたが、中国人に根こそぎ拾われた後でした。又、日にちを改めてでかけてみます。

少量ですが、ニューヨーク、 セントラルパークの銀杏を郵送いたします

                   ********************


ちょっと早いクリスマスプレゼントのようで主人と一緒にワクワクしつつ包みを開けました。
でてきたのはかわいらしい小さな銀杏。
ご苦労して果肉をむかれたのでしょう。少し黄色みを帯びた銀杏のおなじみの臭いがあたりに漂いました。
”利き酒”ならぬ”利き銀杏”を家族でしたのは言うまでもありません。
こちらのものに比べて、小さめで淡白のように感じました。
遠いNYに思いをはせつつ Hさんのお人柄に感謝しつつ いただきました。
Hさん、最高のプレゼントありがとうございました!!



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こんにちは、店長の公文です。
「冬至には、公文さんの柚子だね!」と呼んで頂けるような、柚子農家を目指しております。